2008年12月22日月曜日

ワークショップのご案内

講師の方々から内容が届き始めました。順次更新していきます。全部で8つのワークショップがあります。お楽しみに。
お申し込みなどは2009年3月頃になります。

コースの内容と講師のご紹介(ABC順)

プロセスワーク入門(藤見幸雄、藤見千雅子)
それは、プロセスワークの新たな展開。 ユング派の流れを汲む深層グループワーク。> 心理学だけでなく、社会学、歴史学、> 政治学、フェミニズムなど(多面性)、 さらにはスピリチュアリティ(多次元性) を包括したコミュニティーワーク。> 民族紛争、ジェンダー、ゲイ・ レズビアン、性同一性障害への差別、 人種差別、テロリズム、暴力、 虐待などのテーマに取り組んで来た> プロセスワークの現在についてご紹介します。

(講師紹介)
藤見 幸雄
ニュヨーク州立大学人類学部卒、 トランスパーソナル心理学研究所修士、 認定プロセスワーカー、臨床心理士、
著書:痛みと身体の心理学、 臨床心理学(金剛出版)に「プロセス ワーク」を連載中

藤見千雅子
お茶の水女子大学教育学部卒、 臨床心理士、IFA認定アロマセラピスト、 面接室「アルケミア」代表、著書:ホリスティック医療のすすめ

表現アートセラピーを通しての人との出会い・自分との出会い(濱中寛之、綿引 美香)
最近の日本社会ではコミュニケーションという問題が様々な状況で様々な人々の間で大きな課題になりつつあるように思えます。特に感情面でのコミュニケーションでは、親密性のある心の交流が希薄になり一方、家族のような感情的な交流が交わされる場では誤解や戸惑いが多く見られるのではないでしょうか。表現アートセラピーでは非言語方法を通しての多様な感覚的なコミュニケーション方法を提示します。もしかするとここにこれからの私たちが必要とする本質的なコミュニケーションのヒントとなりうるものがあるのかもしれません。このワークショップでは表現アートという技法を通して人間同士の様々なコミュニケーション方法の可能性と発展性を探索し、また参加者自身の自己洞察を深めつつ自己とコミュニケーションとの新たな関係性を発見することに焦点を当てていこうと思います。さらにはこの発見から参加者自身のこれからの方向性をどのように創造的に構築していけるかの可能性を探っていければと考えています。

(講師紹介)
濱中 寛之
米California Institute of Integral studies臨床心理学部表現アートセラピー学科修士号習得。米国パーソンセンタード表現アートセラピー研究所、スイスEurope Graduate Schoolで学ぶ。2001年帰国。現在、帯津三敬病院非常勤心理カウンセラー/西八王子病院リハビリテーション科アートセラピスト/表現アートセラピー研究所スタッフ/東京学芸大学保健管理センターカウンセラー・特任准教授。

綿引 美香
日本大学大学院芸術学研究科文芸学修士号取得。米Lesley University 表現療法プログラム表現/メンタルヘルス修士号取得。マサチューセッツ州内の病院及びメンタルクリニックで臨床経験を積む。現在、(株)フォーサイトカウンセラー/ くじらホスピタルアートセラピスト/ 表現アートセラピー研究所スタッフ/ アーツセラピー総合企画研究所絵画造形療法講師

プレイバック・シアター(羽地朝和)
プレイバック・シアター(playback theatre)をひとことで表すと「わかちあいの場」と言えます。その場にいる一人が語り手となり、人生の中の一こまをストーリーとして語ります。心に強く残っている場面や楽しかったこと、悲しかった出来事、なにげない日常生活の中のひとこまなど、ストーリーとして語られることは様々です。語られたストーリーは役者によって、即興の劇で表現され、その場の全員で分かち合われます。このシンプルなプロセスの中で一人ひとりの人生に対する敬意が生まれてきます。場づくりやお互いに支え合う様々なエクササイズをもちいて進行しますので、誰でも無理なく楽しみながら参加できます。ゆったりとしながらもワクワクするような場を共につくっていきましょう。

(講師紹介)
羽地 朝和
NPO法人プレイバック・シアターらしんばん 理事長
日本心理劇学会 常任理事
聖心女子大学 非常勤講師 
1998年NYのschool of playback theatre N.Y校卒業後、プレイバック・シアター研究所を設立。現在は、さいとうクリニック(東京)、川谷医院(福岡)、秋元クリニック(千葉)他の病院にて治療グループとしてのプレイバック・シアターを実施。大学、高校、中学校など教育現場での実践にも積極的に取り組んでいる。また近年はコミュニティづくりや平和をテーマにしたプレイバック・シアターをミャンマー、韓国、フィリピンなどのアジア諸国で実施している

フォーカシング:社会に関わり相互作用を生きるために (日笠 摩子)
フォーカシングは、問題や状況について、からだで感じる全体的な意味に注意を向けることで、次のステップが生まれるプロセスです。
 最近、ジェンドリンの講演やワークショップに参加する機会に恵まれました。そこでジェンドリンは、フォーカシングが精神内界的な作業であると誤解されているが、そうではないと繰り返し主張していました。フォーカシングはそもそも相互作用的なプロセスであり、フォーカシングだけして行動しないのは誤りである、とも警告していました。
 今回のワークショップでは、社会との接点を意識しつつ、相互作用から生まれ相互作用に還るプロセスとしてのフォーカシングを紹介します。
 ①相手や自分や相互作用に関するフェルトセンス、②生活や社会への一歩を手に入れるアクション・ステップ、③インターラクティブ・フォーカシング、などの実習を取り入れて、フォーカシングの初心者にとっても経験者にとっても新鮮な体験学習の場を提供したいと思っています。

(講師紹介)
日笠 摩子
大正大学人間学部教授。30代半ばに縁があって学生相談を引き受け、泥縄で始めたカウンセリング訓練の中で、故村瀬孝雄先生からフォーカシングを教わる機会を得ました。その後、フォーカシングの実践、学習、翻訳、教育、臨床への適用、そして、フォーカシング・コミュニティへの参加に、はまり続けて16年になります。本来は内向的で引きこもりがちなのに、フォーカシングを生きている人々とのやわらかい相互作用の中で、かなり大胆に行動できるようになってきました。そんな相互作用を皆さんとも共有したいと願っています。
著書『セラピストのためのフォーカシング入門』、訳書『パーソン・センタード・セラピー』、『フォーカシング指向心理療法上・下』など多数。最新刊はバラ・ジェイソン著『解決指向フォーカシング療法』(金剛出版)。

働き方研究(高松 里)
働くことで幸せになれない。それどころか鬱や自殺に追い込まれる。「働き方」 を見直していくことは喫緊の課題となっています。私は10年ほど前に、ガンの> 誤診を受け1ヶ月間「予後不良患者」として過ごしました。この経験を基に、 どう働けば「仕合わせ」になれるのか、「捨てるワーク」を中心としたいくつ かのワークを組み合わせ、当事者研究を行う方法を実施しています。本ワーク> ショップでは、働き方研究の基本的な発想、実際のワークを紹介したいと思い ます。まだ未完成の領域ですので、アイディアを出し合いましょう。

(講師紹介)
高松里
九州大学留学生センター准教授。臨床心理士。
2007年本学会にて自主シンポジウム「『働き方研究』事始め」を主催し、予想> 外の好評を得た。働き方研究の将来性および「月曜会」(毎週月曜日、25年間 完全年中無休)の活動実績が評価され、2008年度学会賞をいただいた。現在、 対人援助職のバーンアウト防止ワークなどを実施している。著書は「セルフヘ ルプ・グループとサポート・グループ実施ガイド」(金剛出版、2004年)、 「日本に住む外国人留学生Q&A」(解放出版、2005年)、「サポート・グルー> プの実践と展開」(金剛出版、近刊)。

人間性ということばに(竹内敏晴)
人間性ということばに、かつてのたしかな輝きは失われ、今私たちは地殻変動の大ゆれの中を「人間であること」の原点をめざして、裸か身ひとつで歩いてゆくのです。
私の試みるレッスンは、なんらかの技法を開発習得するものではない。
いちばん基本の出発点をあげてみます。
1)〈揺らし〉〈安らぎ〉のレッスン:人にふれ、人をだきとり、それに逆らおうとする自分のからだのこわばりに気づき、息を合わせ共に安らぎを知ること。
2)〈呼びかけ〉のレッスン:人のことばを、声をなまみの〈からだ〉で聞くときにおどろき日常性のドクサに気づくこと、応えて呼びかけること。
3)〈出会い〉のレッスン:あなたと(私が)共同存在している場に気づき、あなたとまっすぐ向い会うこと。
一緒に場に立ってみましょう。              
*竹内先生には『人間性の基礎としてのからだ』についてのお話もして頂きます(村里記)

(講師紹介)
竹内 敏晴
1925年東京に生まれる。東京大学文学部卒業。劇団ぶどうの会、代々木小劇場を経て、1972年竹内演劇研究所を主宰。宮城教育大、南山短期大学などで独自の人間教育に携わる。その後「からだとことばのレッスン」を創造・実践し現在に至る。著書に『からだ・演劇・教育』(岩波新書)『思想するからだ』、『癒える力』(晶文社)、『竹内レッスン』(春風社)、『生きることのレッスン』(トランスビュー)など。